2023.10.25
実績など
公益財団法人ソフトピアジャパンの「デジタル化」推進計画(vol.2)
vol.2:デジタル化の舞台裏 ~職員が語る財団の変革~
皆さんこんにちは、公益財団法人ソフトピアジャパンの広報担当です。
第2弾となる今回は、公益財団法人ソフトピアジャパン(以下 財団)の「デジタル化」に取り組んでいる主担当職員へインタビューを行いましたのでご紹介していきます。
前回の記事では、財団デジタル化の背景や必要性、そして初めの一歩として、実際に何を行ってきたかについてご紹介しました。
過去の記事(Vol.1)はこちらからご確認ください。
◆vol.1:デジタル化への第一歩 ~財団の業務分析と企業DBプロトタイプ試作調査~
今回の記事は、デジタル化プロジェクトの進行中の経過と将来への展望に焦点を当て、主担当職員へのインタビューを行いました。
このインタビューでは「デジタルオフィス」「企業データベース」「ワークフロー」の主担当職員がデジタル化プロジェクトにどのように取り組んでいるか、そしてデジタル化が財団にもたらす変化などについて、担当者の言葉でお伝えします。財団デジタル化の舞台裏を覗いてみましょう。
▶ INTERVIEW 01.企業データベース『困難なハードルを越えることが、DX導入の魅力的な部分。』
▶ INTERVIEW 02.デジタルオフィス『オフィス環境の整備でスピード感ある対応・外部連携を実現させる。』
▶ INTERVIEW 03. ワークフロー『チームとスモールスタートでデジタル化プロジェクトを乗り越える。』
- 天川・・・企業データベース担当
- 林・・・・デジタルオフィス担当
- 金森・・・ワークフロー担当
- 山幡(インタビュアー)・・・広報担当
『困難なハードルを越えることが、DX導入の魅力的な部分。』
現在までのデジタル化プロジェクト(企業データベース)の進捗はどうですか?
私が担当している(財団が支援している)企業のデータベース化について、今年度中には試作開発・試行運用していきたいと考えています。
また、DX導入に向けて、職員を対象に業務のデジタル化についてのアンケートも取りました。
ポジティブ・ネガティブ両面から、職員の皆様から忌憚のない意見を頂いています。
(企業データベース担当)
試作開発・試行運用の準備とアンケート調査の実施により、財団のデジタル化への取り組みが前進していることが分かりますね。今年度中に試作開発・試行運用する予定とのこと、期待が高まります。
職員の率直な意見も収集されていることは、プロジェクトの成功に向けて非常に重要な要素ですね。
では、これまでのデジタル化の取り組みで、最も困難だと感じる瞬間は何でしたか?
また、それを克服するためにどのようなアイデアや工夫を行いましたか?
デジタル技術の導入は、実際の企業支援においても、ひとつひとつの業務において「なぜそれが必要なのか」「データをどのように使って効果を挙げるのか」ということを突き詰めることが重要で、それは正直、地味で辛い作業になります。
試作開発の仕様作成でももちろん考えましたが、この工程に終わりはなく、今後も更に具体性を増して検討するという意味では、困難はこれからだと感じています。
また、ソフトウェアの導入も同様のハードルです。
しかし、DX導入の仕事としては、一番おもしろい部分だとも思っているので、引き続き頑張っていきたいです。
デジタル化プロセスは実用的な変革をもたらすために、地味で困難な一面があることがわかります。しかし、困難な状況の中で、デジタル変革の仕事におもしろさを見出して前向きに取り組んでいる点が素晴らしいです。
最後に、デジタル化によって財団がどのように変わっていきたいか、今後のデジタル化の計画について言える範囲で教えてください。
短期的な視点としては、これまでバラバラだったデータをつなぐことによって、財団内での業務の属人性を無くし、財団職員のケイパビリティを上げるとともに、全体の業務効率化を進めます。
長期的には、AIや新しいデジタル技術も活用しながら、県内事業者に参考にしてもらえるような活動を進められたらと考えています。
短期的にはデータ連携で業務を効率化し、長期的にはAIや新しいテクノロジーを使って業務を変えていくということ。また、これにより業務がスムーズになり、職員のスキルの向上も目標にされていることが分かりました。
ありがとうございました。
・試作開発・試行運用の準備を行い、企業データベース化プロジェクトを進行中
・デジタル導入に向けたアンケートを実施し、職員から意見を収集
・デジタル導入は「なぜ」「どうやって」が重要で、困難な作業も楽しいと捉えている
・今後の計画では、データ統合で業務の効率化と職員の能力向上を短期的に、AIやデジタル技術を活用して県内事業者に貢献することを長期的な目標としている
『オフィス環境の整備でスピード感ある対応・外部連携を実現させる。』
現在までのデジタル化プロジェクト(デジタルオフィス)の進捗はどうですか?
これまで
・WEB会議システムの拡充や、打ち合わせ時のペーパーレス化促進のための大型モニタ、デジタルホワイトボードの導入
・ペーパーレス化に伴うPDFファイル取り扱い効率化のための、PDF編集ソフトの導入
・各職員の作業効率向上のためのモニタ導入
を実施しました。
打ち合わせ前の資料印刷が不要になった、情報の共有や変更が即時に出来るようになった、業務がやりやすくなった等の意見も聞こえており、効果が上がっているのではないかと思います。
デジタルオフィス化は順調に進んでいて、ペーパーレス化や新しいツールの導入、具体的には資料の印刷を不要にし、情報の共有を改善することで、業務が効率的になったということですね。職員の方からもそのような意見が聞こえてくることは、効果が実感できますよね。
では、これまでのデジタル化の取り組みで、最も困難だと感じる瞬間は何でしたか?
また、それを克服するためにどのようなアイデアや工夫を行いましたか?
通常業務との並行がなかなか難しいと感じます。なるべく早く環境を整えたいのですが、機器選定や準備等の時間がなかなかとれず、もどかしく思っています。まずは少しずつでも着実に進めるようにしています。
確かに、通常業務との同時進行は難しい課題ですね。進捗を出すために少しずつ前進するプロセスは、時にもどかしいこともありますが、環境整備には不可欠な一歩でもありますよね。
では、デジタル化によって財団がどのように変わっていきたいと思っていますか?
内部の環境を整え、業務に関するちょっとした負担を無くし、ムダを削減、業務効率を上げる。
言葉にするとよく聞くような内容ですが、「前よりは楽になった・やりやすくなった」を積み重ね、少しでも業務の無駄を無くすことができれば、内外問わずソフトピアジャパンに関わる皆様へ、よりスピード感のある対応や連携ができるようになればと思っています。
内部でのデジタル化に向けた取り組み、そして連携や対応の迅速化を目指していること、それらが重要なステップであるということですね。
では、最後に、今後のデジタル化の計画について言える範囲で教えてください。
内部のネットワーク環境の整備や、ワークフローシステム活用促進のための整備等々、細かい部分も含め職員の皆さんの意見を聞きながら進めていこうと思っています。
職員の方からの意見を積極的に取り入れながら、内部のネットワーク環境やワークフローシステムに改善を加えるなど、進めていくということが分かりました。
ありがとうございました。
・これまでWEB会議の強化や大型モニタ、デジタルホワイトボード、PDF編集ソフト、職員用モニタなどを導入
・資料印刷の不要化や情報共有の改善、業務効率の向上が実感されている
・今後の計画では、引き続き内部の環境整備と業務効率の向上を目指す
『チームとスモールスタートでデジタル化プロジェクトを乗り越える。』
現在までのデジタル化プロジェクト(ワークフロー)の進捗はどうですか?
「デジタル化に向けた業務の洗い出しと規程の整備」というテーマを与えられましたが、大きなテーマでどこから取り組んで良いか分からなかったため、上司のアドバイスを受け今まで紙と押印だった決裁のデジタル化をしてみることからはじめることにしました。
まずはすでに財団内にあるシステムの回覧機能等を使用し実現できないか検討しましたが、使い勝手が悪く感じたため申請・承認業務に最適化したワークフローシステムを導入することとしました。
ワークフローシステムの検討にあたっては、何社か話を聞いたりトライアルを実施し、最終的に使い勝手や将来的な拡張性等を考慮し1つのシステムに決めました。
現在のシステムとのデータ連携等考えることはまだまだありますが、まずはスモールスタートで単純な決裁業務について財団内でワークフローシステムを活用していただこうと考えています。
まだまだこれからです。
紙の文書をデジタルで扱うのは難しいことが多いですが、小さなステップから始めて段階的に、確実に進めていったのですね。
では、これまでのデジタル化の取り組みで、最も困難だと感じる瞬間は何でしたか?
また、それを克服するためにどのようなアイデアや工夫を行いましたか?
ワークフローとは何か、今財団内にはどんなシステムや業務があるのか、そういった初歩の初歩から始めたので、ゴールに向けてどう進めていくかが一番の課題でした。
経験も知識もなかったので何名かに声をかけ、ワークフロー導入のためのチームを作ってご意見やアドバイスをいただきながら進めました。正解が分からない中、相談できる存在がとても有難かったです。
またデジタル化プロジェクトメンバーも親身に相談に乗ってくれたり、室長にはスケジュール管理について、システム担当にはシステム的な導入可否について等、都度詳しそうな人に聞いてみました。
一人で考えていても時間ばかりが過ぎるので、いろいろな人に相談してよかったと思います。
あとは、今までいろいろ考えて作られてきたルールやシステムがある中で、自分がやろうとしていることが最善なのか、自分の選択に自信が持てず常に不安がありました。
でも、もう決めたのだから、今はどうしたら財団内に展開できるか、どうしたらもっと皆の仕事がラクになるか、そういうことを考え抜くことのほうが大切だなと思っています。
前を向いて、皆さんのご意見を真摯に受け止めながら、前に進んでいきたいなと思います。
何から始めるか分からない状況は誰にでもあることですよね。それに、他の人たちからアドバイスをもらったり、協力を仰いだりすることは、プロジェクトを成功させる大切な要素だと思います。
不安があっても、一歩一歩前進していくことが重要ということですね。
では今後、デジタル化によって財団がどのように変わっていきたいと思っていますか?
ペーパーレスの実現だけでなく、BCP対策という視点で、今後何が起こっても事業継続できるような基盤を今回のデジタル化で築ければ良いなと思います。
変化の激しい時代ですので、システム導入を通して今の仕事のやり方を見直すとともに、様々な働き方に対応できる基盤を創れたら良いなと思います。
また外部からの申請手続きの簡素化、問い合わせへの迅速な対応、デジタル時代に即したサービス展開等、財団のサービスをご利用いただく皆様にとって利便性の向上に繋げていければと思います。
デジタル化によって、ペーパーレスだけでなく、BCP対策や柔軟な働き方に対応する基盤を築くことが目標ということですね。
また、外部からの申請や問い合わせに対する迅速な対応やサービスの利便性向上も重要な要素として考えていることが分かりました。
最後に、今後のデジタル化の計画について言える範囲で教えてください。
まずはワークフローシステムを着実に展開したいです。皆さんの反応を見ながら改善しつつ、使用できる書類や業務も少しずつ増やしていきたいです。
また紙運用時代のルールの見直しや、システムに仕事の仕方を合わせるために業務のやり方の見直しをしていきたいです。
そしてワークフローシステムを単独で導入するだけではあまりメリットを感じられない部分もあるので、データ連携や自動集計等も見越して、システム間の連携や統合を行いたいです。
ワークフローシステムの展開を職員の方の意見を取り入れながら着実に進めていくことや、規則の見直し、システムへの適合を図るため、業務の改善にも取り組んでいくということですね。
また、システムの相互連携やデータ収集の自動化も視野に入れ、総合的なアプローチをとっていくということが分かりました。
ありがとうございました。
・紙からデジタルへの移行をスモールスタートで進め、ワークフローシステムを導入
・困難な瞬間では、チームでの協力とアドバイスを得て克服
・今後の計画では、ワークフローシステムの展開を重点的に進め、ルール見直しや業務改善、システム連携を検討し、BCP対策や柔軟な働き方、利便性向上に貢献することを目標に進めていく
インタビューを通じて、私たち財団がデジタル化への挑戦にどのように臨んでいるか、デジタルオフィス、企業データベース、ワークフローのそれぞれの分野で、主担当職員が、プロジェクトの進捗と未来への展望について語ってくれました。少しづつですがデジタル化に向けて前進しています。
これからもより効率的で持続可能な運営を目指し、デジタル化の推進に取り組んでいきます。
◆vol.1:デジタル化への第一歩 ~財団の業務分析と企業DBプロトタイプ試作調査~
◆vol.3:企業データベース導入の課題と対策 ~課題編~
◆R5まとめ:「デジタル化」推進計画 ~ 令和5年度のまとめ ~